目の上の義母(たんこぶ)
幸い、わたしの会社は産休育休制度も整っているし、翔平ともそうしたほうがいいねと話し合って決めたのだ。


「母さん、今どき共働きなんて当たり前だよ?」

「あら、そうなの?でも陽葵さん、仕事もしながら家のこともできるの?」


正直、あまり翔平には家事は期待していないけど――。


「そこは、翔平さんと分担して…」


と言いかけたとたん、お義母さんの顔色が変わった。


「もしかして…あなた、夫に家の手伝いをさせるつもりなの…?」


眉をひそめ、じっとわたしに視線を送るお義母さん。

地雷を踏んでしまったことは、すぐにわかった。


「結婚したら、家を守るのが女の務めよ」


お義母さんは自信満々に、『私はそうしてきたから、あなたも同じことをして当然』とでも言いたそうな表情だ。


なにも言えないわたしに、お義母さんは続ける。


「夫は外で働いて疲れてるんだから、それを労うのが妻の役目なんじゃないの?それなのに、夫にまで家事をさせるなんて…、これだから今どきの若い人はっ…」
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