目の上の義母(たんこぶ)
30にもなれば、だいたいの女子の左手薬指には指輪がはめられていた。

男子も結婚している人はいるけど、どちらかというとまだの人が多いよう。


それに、中にはすでにバツがついている人までいた。



聞こえてくる話は、高校時代のこと。

あとは、自分の現状についてだ。


結婚した。

子どもができた。

子どもが生まれた。

家を建てた。

保育園に預けられなくて、困っている。


…などなど。


高校のときのような、話す内容にフレッシュさなんてものはなく、どれもリアルな話ばかりだ。


みんな、通る道は同じか…。


なんて聞き耳を立てながら、バイキングの食事をお皿に盛り付けていると――。


「もしかして…、陽葵?」


ふと、背後からわたしを呼ぶ声がした。


ミチルは、今違うコと話していて近くにはいない。
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