目の上の義母(たんこぶ)
「…ああ。朝一で大事な会議があって、その準備で早く出社しないといけないんだっ…」

「えっ!?じゃあ…朝ごはんは!?」

「食べてる時間ないから、適当にコンビニで買って済ませるよ。もう出るから、お弁当もいいやっ」

「…あっ。でもわたし、翔平に――」


話したいことがあったんだけど…。


こんな朝のバタバタしているときに話しても、素直に喜べないだろうから――。


「ん?どうかした?」

「…ううん!なんでもないのっ。いってらっしゃい」

「いってきます…!」


翔平は履きかけの靴に躓きながら、急いで出ていった。


毎年、秋くらいから年末にかけては繁忙期らしいけど、今年はとくに急に忙しくなったんだそう。


だから、毎日のように夜遅くまで残業。

そして、いつもより早く出社するものだから、『妊娠した』とゆっくり話す機会なんてなかった。
< 85 / 115 >

この作品をシェア

pagetop