目の上の義母(たんこぶ)
本当は、逃げ出したいくらい。

でも、放っておいていい問題ではない。


…向き合わなくちゃ。


大丈夫っ…。

この前はきっとなにかの間違いで、今回はまた心拍が確認できるはず。


そう自分に何度も言い聞かせた。


――しかし。



「…飯田さん。残念ながら、今回も心拍は確認できませんでした…」


先生から告げられたのは、最悪の結果だった。


「赤ちゃんの大きさも、7週目の検診のときからあまり変わっていませんし、心拍も確認できなかったため、…赤ちゃんはすでにお腹の中で亡くなっています」


先生の声が…どんどん遠のいていく。


…ああ、そうか。

これは、夢なんだ。


わたしは、悪い夢を見ているだけなんだ。


しかし、それはすぐにただの現実逃避だと認識させられる。


まだ現実を受け止められないわたしに、着々と手術の説明がされる。
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