月下の恋人…missing
何も言えないままに電話は切れた。
俺はまゆに何かしてあげる事が出来たんだろうか。
俺は―――――
「光彦さん!これっ!」
空港が近づいて
渋滞の合間に、週刊誌で俺の記事を食い入るように見ていたタケシは、突然叫んだ。
「まゆちゃん!」
『えっ――――』
慌てて雑誌を受け取って、タケシが指差す場所を確認する。
雨の中、遠くから写された写真は、はっきりとした物ではなかったけど
離れた場所で、手には俺が普段使っている傘を持って
立ち尽くしているまゆが微かに写っていた。
そう言う事かぁ……。