月下の恋人…missing


手紙の女の子の微笑みを見た時に、あれは単なる脅しじゃない事に気づく。




一人になって呆然と立ち尽くす光にぃに、傘を持って駆け寄ると




私に心配をかけない様に、いつもと同じ笑顔で微笑んでくれたよね。




『傘で隠れて、俺ってバレないから…』





そう言って雨の中でキスをして、手を繋いで家まで帰ったね。




目の前で起こった全てに気づかないふりをして、いつもの様に振る舞って




私も光にぃに嘘をついたんだ。



光にぃは、きっと




何かあったら、仕事よりも私を選んでくれると思う。



思うからこそ、言えなかった。





私のせいで大好きな仕事を棒にふるなんて



……耐えられないよ。




今までどれだけ一生懸命やって来て、光にぃがどんだけ仕事を大切にしてるかなんて




誰よりも解ってる






光にぃのあんな顔、もう見たくないから…




光にぃの事が大好きだから





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