月下の恋人…missing
……じゃあねじゃないよ。ったく!
駐車場まで走ってエンジンを掛ける。
アイツの両親は海外に住んでいて、今、離婚問題でオフクロが相談に乗っている事は知っていた。
まゆは何も知らない。
子供の頃から共働きで、いつも家に一人ぼっちだったアイツの淋しげな笑顔を
俺は小さい頃から守って来たつもりだし、これからも守ってあげたい。
(独りぼっちになんかさせないから。)
バックミラーを見ると、細い三日月が映ってその儚さに、昨日の涙とシンクロする。
『急いで帰るよ…まゆ』
小さく呟いてアクセルを踏み込んだ。