へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜







「わっ……!また揺れた……!」



 カタカタと壁に掛けてある物達が音を立て、上下左右に揺れる地震に魔獣達と身を寄せ合いながら、ミアは何とか冷静さを保っていた。落ち着かせるように魔獣達を撫でていると、引くように揺れは収まっていく。

 周囲に危険な箇所はないかを確認して、収まった揺れにほっと胸を撫で下ろす。怯える魔獣達は、ミアの優しい手つきによって安心感を与えられ、普段通りに甘えた声で鳴く。

 燦燦と降り注ぐ、真上に昇った太陽の日差しに目を細めながら、ミアは無意識に溜め息を零した。



「これで三回目か……」



 今朝から続いている地震に、思わず胸元を握りしめる。

 この地震の被害を確認するべく、リヒトを先頭に第四部隊の騎士達は日が昇って直ぐ、馬を走らせて騎士舎を出て行った。二回目の留守番を任されたミアは、不安で胸が張り裂けそうだった。

 魔族との戦闘はないにしても、地震に巻き込まれて帰って来なかったらと思うと、今すぐにでも安否を確認したいくらいだ。

 だが、残されたのにはきちんとした仕事が任されているからであって、その仕事を放棄するわけにはいかない。







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