エレベーターから始まる恋
鈴木さんとの出会いは、私が入社して一週間も経たない頃。
いつものようにビルに入り、エレベーターホールに向かおうとしていると、視界の隅で掃除をしているおばちゃんの足元のバケツがひっくり返った。
正確に言うと、二人組の男性が横並びに会話しながら歩いており、そのうちの一人の足がバケツに当たった。蹴飛ばしてしまったのだ。
ひっくり返ったバケツは無惨に水を撒き散らし、コロコロと転がっていった。
蹴飛ばしたその人は見向きもせず、そのまま会話をしながらその場から消えていった。
朝なんてみんな忙しないから、その様子を横目で見て気まずそうに去っていく。
正直私も時間に余裕があるわけでもなかったが、居ても立っても居られずおばちゃんに声をかけたのだった。
『この雑巾使ってもいいですか?』
これが、掃除のおばちゃん、鈴木さんとの出会い。
この日を境に顔を合わせればよく話す関係性になった。
今では私にとって、このビルの癒しの存在だ。
いつものようにビルに入り、エレベーターホールに向かおうとしていると、視界の隅で掃除をしているおばちゃんの足元のバケツがひっくり返った。
正確に言うと、二人組の男性が横並びに会話しながら歩いており、そのうちの一人の足がバケツに当たった。蹴飛ばしてしまったのだ。
ひっくり返ったバケツは無惨に水を撒き散らし、コロコロと転がっていった。
蹴飛ばしたその人は見向きもせず、そのまま会話をしながらその場から消えていった。
朝なんてみんな忙しないから、その様子を横目で見て気まずそうに去っていく。
正直私も時間に余裕があるわけでもなかったが、居ても立っても居られずおばちゃんに声をかけたのだった。
『この雑巾使ってもいいですか?』
これが、掃除のおばちゃん、鈴木さんとの出会い。
この日を境に顔を合わせればよく話す関係性になった。
今では私にとって、このビルの癒しの存在だ。