貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
「与織姉~!」
応援に来ている保護者や学生達の間をすり抜けるように、いっくんが手を降りながら走ってくると、私に抱きついた。
「苦しいって!」
いっくんの腕の中でもがきながらそう言うと、いっくんは「ごめんごめん」なんて屈託のない笑顔を見せた。
視線が……痛いんですが……
全国大会に行くような強豪校のレギュラー選手となると、それなりに有名人だ。周りの女子高生からヒソヒソと「朝木君だ。あれ誰?」と言う声が聞こえてくる。
「もう! いっくん? いい加減姉離れしてよね!」
姉を強調しつつそう言うと、いっくんは目に見えてしゅんとしながら「だってさ、兄ちゃん達来れないって言うからさ。与織姉に会えたのが嬉しくて」と可愛いことを口にした。
私だって、この体は大きい弟が可愛くないわけはないのだ。
「で、今日はどうやって来たの? 電車?」
私の身体を離して見下ろしながら、いっくんは私に尋ねる。
「あ、えと。それは……」
口籠もっていると、不意にいっくんは顔を上げた。
「あれ? えーと、兄ちゃんの友達? 誰だっけ……」
驚いたように私の向こう側を見てそう言ういっくんに、私の頭上から「川村だ。久しぶりだな、逸希」と声が降って来た。
応援に来ている保護者や学生達の間をすり抜けるように、いっくんが手を降りながら走ってくると、私に抱きついた。
「苦しいって!」
いっくんの腕の中でもがきながらそう言うと、いっくんは「ごめんごめん」なんて屈託のない笑顔を見せた。
視線が……痛いんですが……
全国大会に行くような強豪校のレギュラー選手となると、それなりに有名人だ。周りの女子高生からヒソヒソと「朝木君だ。あれ誰?」と言う声が聞こえてくる。
「もう! いっくん? いい加減姉離れしてよね!」
姉を強調しつつそう言うと、いっくんは目に見えてしゅんとしながら「だってさ、兄ちゃん達来れないって言うからさ。与織姉に会えたのが嬉しくて」と可愛いことを口にした。
私だって、この体は大きい弟が可愛くないわけはないのだ。
「で、今日はどうやって来たの? 電車?」
私の身体を離して見下ろしながら、いっくんは私に尋ねる。
「あ、えと。それは……」
口籠もっていると、不意にいっくんは顔を上げた。
「あれ? えーと、兄ちゃんの友達? 誰だっけ……」
驚いたように私の向こう側を見てそう言ういっくんに、私の頭上から「川村だ。久しぶりだな、逸希」と声が降って来た。