貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
『嫌ではないが、これから先もずっと主任のままじゃおかしいだろう』
少し呆れたように主任は言う。確かにこれから先、昇進して主任じゃなくなるかも知れない。
「……って、昇進の予定でもあるんですか?」
もしかしたら、もう係長にでもなるんだろうか? なんてことを思いながら尋ねると、なぜか電話の向こうから、とてつもなく大きなため息が聞こえきた。
『そうじゃないだろう……。いつになったら婚約者を名前で呼んでくれるんだ?』
「えっ! そっち?」
思わずそう突っ込んでしまう。
そう言えば『婚約者らしく振る舞おう』とは言われた。でも、主任だって結局、朝木って呼んでるじゃない、と不満に思ってしまう自分もいる。
『……呼んで……くれないのか? 与織子』
電話越しに聞く主任の声。それが甘く切なく聞こえてしまったのは気のせいだろうか?
どんな顔をしてそんなことを言ってるの? 私、恋人じゃないんだよ?
そう思うのに、顔がカアッと熱くなってしまう。
「あ、の。そ、そっ……」
創一さんと言いたいのに、言葉が詰まってなかなか出てこない。それを察したのか、楽しんでいる様子で息を漏らす気配が聞こえた。
「そっ、そうちゃんっ!!」
あぁ……。しまった……。やっちゃった
そう思っても後の祭りだ。思い切り口が滑り、普段慣れているちゃん付けで呼んでしまった。
『ふふっ』
アワアワしている私を他所に、電話の向こうからそう聞こえてきた。
『一矢がいっちゃんなんだから、俺はそうちゃんか。なかなか新鮮だな。そう呼ばれるのは』
笑い声を交えながら主任はそう言う。
『じゃあ、俺のことはこれから、創ちゃんと呼ぶんだぞ?』
笑いを堪えきれない様子で楽しげに言う主任、いや創ちゃんに、私は結局そうやって押し切られてしまった。
少し呆れたように主任は言う。確かにこれから先、昇進して主任じゃなくなるかも知れない。
「……って、昇進の予定でもあるんですか?」
もしかしたら、もう係長にでもなるんだろうか? なんてことを思いながら尋ねると、なぜか電話の向こうから、とてつもなく大きなため息が聞こえきた。
『そうじゃないだろう……。いつになったら婚約者を名前で呼んでくれるんだ?』
「えっ! そっち?」
思わずそう突っ込んでしまう。
そう言えば『婚約者らしく振る舞おう』とは言われた。でも、主任だって結局、朝木って呼んでるじゃない、と不満に思ってしまう自分もいる。
『……呼んで……くれないのか? 与織子』
電話越しに聞く主任の声。それが甘く切なく聞こえてしまったのは気のせいだろうか?
どんな顔をしてそんなことを言ってるの? 私、恋人じゃないんだよ?
そう思うのに、顔がカアッと熱くなってしまう。
「あ、の。そ、そっ……」
創一さんと言いたいのに、言葉が詰まってなかなか出てこない。それを察したのか、楽しんでいる様子で息を漏らす気配が聞こえた。
「そっ、そうちゃんっ!!」
あぁ……。しまった……。やっちゃった
そう思っても後の祭りだ。思い切り口が滑り、普段慣れているちゃん付けで呼んでしまった。
『ふふっ』
アワアワしている私を他所に、電話の向こうからそう聞こえてきた。
『一矢がいっちゃんなんだから、俺はそうちゃんか。なかなか新鮮だな。そう呼ばれるのは』
笑い声を交えながら主任はそう言う。
『じゃあ、俺のことはこれから、創ちゃんと呼ぶんだぞ?』
笑いを堪えきれない様子で楽しげに言う主任、いや創ちゃんに、私は結局そうやって押し切られてしまった。