貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
なんとか乗り越えた初日の半分。私は、化粧室の鏡の前で口紅を塗り直しながら、盛大に溜め息を吐いていた。
「なんとか……。終わったね……」
呟くように私がそう言うと、隣で桃花ちゃんもお化粧を直しながら「ほんと。もうご飯の味、わかんなかったね!」と笑顔を引き攣らせながら言った。
入社式後のオリエンテーションは、総務の人とまったりした空気のなか、書類を書いたり就業規則などの説明を受けたりしていた。
問題はその次だ。
役員との懇親会と聞いてはいたが、少しお茶でもするのかと思いきや、立派な仕出し弁当を目の前にして、会議室での昼食会だった。
会議室に並んだ長机にはまるで面接みたいに役員が並んでいて、その前に緊張で固まっている私達2人。
そう会うこともないだろうと思っていた社長は私の真ん前に座り、その隣には入社式の前に会った専務の姿があった。
「だよね。きっと高級だったんだろうけど、緊張し過ぎてもう覚えてないもん」
私も同じように半笑いで桃花ちゃんに返しながら、口紅をポーチにしまう。
「にしても……専務だけ若いよね。社長の息子かぁ。将来は社長になるのかな?」
「なんとか……。終わったね……」
呟くように私がそう言うと、隣で桃花ちゃんもお化粧を直しながら「ほんと。もうご飯の味、わかんなかったね!」と笑顔を引き攣らせながら言った。
入社式後のオリエンテーションは、総務の人とまったりした空気のなか、書類を書いたり就業規則などの説明を受けたりしていた。
問題はその次だ。
役員との懇親会と聞いてはいたが、少しお茶でもするのかと思いきや、立派な仕出し弁当を目の前にして、会議室での昼食会だった。
会議室に並んだ長机にはまるで面接みたいに役員が並んでいて、その前に緊張で固まっている私達2人。
そう会うこともないだろうと思っていた社長は私の真ん前に座り、その隣には入社式の前に会った専務の姿があった。
「だよね。きっと高級だったんだろうけど、緊張し過ぎてもう覚えてないもん」
私も同じように半笑いで桃花ちゃんに返しながら、口紅をポーチにしまう。
「にしても……専務だけ若いよね。社長の息子かぁ。将来は社長になるのかな?」