貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
私……主任とうまくやっていけるだろうか?

一抹の不安を覚えながら席に向かうと、その隣の席の人に少しホッとした。優しそうな雰囲気でニッコリ笑ってこちらを見ている女性だ。ストンとしたワンピースに、癖になっているのかお腹に手を当てていて、そこは膨らみを帯びていた。

「隣の席の清田(きよた)です。同じ事務担当。よろしくね」

可愛らしい雰囲気で、なんとなくうちのお母さんみたいだなぁと思いながら、「こちらこそよろしくお願いします」と頭を下げた。

「見ての通り、6月から産休に入る予定なの。今後は私が持ってる仕事を引き継いでやって行ってもらいたくて。川村君も付いてるし、心配しなくても大丈夫。少しずつ覚えていきましょう?」

良かった……この優しそうな人が仕事教えてくれるんだ!

ホッとしたのがそのまま顔に出てて、清田さんに笑われてしまう。

「あらあら、素直ね。大丈夫よ?川村君、顔は怖いけど中身はちょっと怖いだけだから」
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