貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
見ていた番組はそのあとすぐ終わり、私はいっちゃんのご飯を用意する。
鶴さんの作ったいっちゃん専用おかずは、ザ酒のつまみ。しかも、お母さんが作ったのかな?って感じのものが多い。
今日も、いっちゃんが一番気に入っているという筑前煮に、ピリ辛の枝豆、鯵の南蛮漬け。お酒を飲むからご飯は不要だ。
それをお皿に盛り付けていると、いっちゃんは早々と戻って来た。髪の毛は全く乾かしてなくて、肩からかけたタオルに時々雫が落ちている。

「いっちゃん風邪ひくよ!」

私がダイニングテーブルにお皿を運びながら言うと、「そのうち乾くって」と笑いながら残りのお皿を手にした。
こういうところは兄弟一適当だ。これがふう君やみー君なら、『変な癖ついたら嫌だ』と絶対ちゃんと乾かしているはずだ。

いっちゃんは一旦お皿をテーブルに置くと、そのまま冷蔵庫に向かう。もちろん出すのは缶ビール。ほんと、お父さんを見てるみたいだ。

「与織子も飲むか?」

冷蔵庫の扉を開けたままのいっちゃんに尋ねられるが、「私はいいよ。お茶にする」と返してテーブルに座った。
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