ほどけるいと。
ミサンガが,私の手から離れていく。

大きく開いた瞳をそのまま持ち上げると,それは流雨くんの手の中に。



「もう…友達じゃないっていうのは,いい?」

「う,ん」

「なら…ありがとう」


ほっと息の抜けるような微笑みに,私は釘付けになった。

どんな言葉もの代わりに,私ははにかんで見せる。



「あと,もう一個だけ…いい?」

「うん」

「私も…告白しようと思うくらいには……大好き,です」

「~っ」



流雨くんの赤い顔が悪化して,私もさらに赤くなる。



「…勉強,してから帰る?」

「え…と。今日は勘弁してくれると嬉しいです」

「だよね」



流雨くんにつられて,私も笑う。

このまま2人で勉強なんて,気恥ずかしくて堪えられない。



「帰ろ」

「うん」



手を繋ぐのは,お互い待って欲しいみたい。

ーミサンガはスマホカバーの細いところに,キーホルダーのようにつけてくれた。
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