もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「賊のうち、二人はその場で自害。残りのひとりは牢でノイフェルト卿に雇われたと吐き、隠し持っていた毒によって自害しました」

「殿下に怪我は」

「ございません」

 改めて無事を確認し、今度こそほっと肩の力を抜く。

 グランツのその姿を演技とするのは難しかったが、集まった騎士たちは彼への警戒を緩めない。

「初めて耳にいたしました。当然ですが、なぜ私の名が出たのか身に覚えはありません」

 答えながら、グランツは疑問を抱いた。

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