紅蓮の炎は心を壊す
「おやすみ、紅葉」
ヒノカグも優しい口調で言い、その言葉を聞いた紅葉は目を閉じる。数十秒後、静かな部屋に彼女の小さな寝息が響く。それを囲炉裏で聞いていたヒノカグは、ゆっくりと囲炉裏から離れた。
「……紅葉が何もいらないなら、俺のほしいものをくれよ」
ヒノカグはそう呟いた後、炎の姿から一瞬にして人の姿に変わる。もうとっくの前から人の姿に戻ることはできていた。だが、紅葉と離れたくないという気持ちから、ずっと炎の姿をしていたのだ。
明かりのない部屋に、ヒノカグの瞳が猫のように煌めく。その足は真っ直ぐに深く眠っている紅葉へと近付く。
「お前がほしい。だから、俺が貰っていく」
紅葉の頭を優しく撫でた後、ヒノカグは紅葉を抱き上げる。刹那、二人を炎が包み込んだ。それはまるで柱のように高く燃え上がり、火花が宙を舞っている。
その炎が消えた時、二人の姿はなかった。
柔らかな感触に、ぼんやりとした頭で紅葉は考える。こんなにも家にある布団は柔らかかっただろうかと……。
「紅葉、おはよう」
ヒノカグも優しい口調で言い、その言葉を聞いた紅葉は目を閉じる。数十秒後、静かな部屋に彼女の小さな寝息が響く。それを囲炉裏で聞いていたヒノカグは、ゆっくりと囲炉裏から離れた。
「……紅葉が何もいらないなら、俺のほしいものをくれよ」
ヒノカグはそう呟いた後、炎の姿から一瞬にして人の姿に変わる。もうとっくの前から人の姿に戻ることはできていた。だが、紅葉と離れたくないという気持ちから、ずっと炎の姿をしていたのだ。
明かりのない部屋に、ヒノカグの瞳が猫のように煌めく。その足は真っ直ぐに深く眠っている紅葉へと近付く。
「お前がほしい。だから、俺が貰っていく」
紅葉の頭を優しく撫でた後、ヒノカグは紅葉を抱き上げる。刹那、二人を炎が包み込んだ。それはまるで柱のように高く燃え上がり、火花が宙を舞っている。
その炎が消えた時、二人の姿はなかった。
柔らかな感触に、ぼんやりとした頭で紅葉は考える。こんなにも家にある布団は柔らかかっただろうかと……。
「紅葉、おはよう」