紅蓮の炎は心を壊す
ヒノカグが言い、お粥を食べていた紅葉はその手を止めて考える。ほしいものを考えてみるも、紅葉の頭には何も浮かばない。
「えっと、特には思い付かないです」
「えっ!?何もないのか?着物でも、簪でも、紅でも、櫛でも、食べ物でも、何でもいいんだぜ?」
ヒノカグは慌てたように言うものの、紅葉は現状に満足している。紅葉はヒノカグに笑いかけた。
「あたしは、ヒノカグ様がお話を聞いてくれるだけで充分幸せなんです。そばにいてくれるだけでいいんです。いつも、ありがとうございます!」
「紅葉……」
真っ赤な炎の姿をしたヒノカグの頬が、さらに赤く染まっていくように見えた。そして、その目はさらに黒に染まる。だが、それに紅葉は気付いていない。
食事を終えた紅葉はお椀を片付け、ヒノカグが沸かしてくれたお湯に布切れをつけて体を拭き、ボロボロの布団の上に横になる。
「おやすみなさいませ、ヒノカグ様」
囲炉裏の中で燃えているヒノカグに、紅葉はニコリと微笑みかける。こんな穏やかで優しい日々がずっと続けばいい、そう願いながら。
「えっと、特には思い付かないです」
「えっ!?何もないのか?着物でも、簪でも、紅でも、櫛でも、食べ物でも、何でもいいんだぜ?」
ヒノカグは慌てたように言うものの、紅葉は現状に満足している。紅葉はヒノカグに笑いかけた。
「あたしは、ヒノカグ様がお話を聞いてくれるだけで充分幸せなんです。そばにいてくれるだけでいいんです。いつも、ありがとうございます!」
「紅葉……」
真っ赤な炎の姿をしたヒノカグの頬が、さらに赤く染まっていくように見えた。そして、その目はさらに黒に染まる。だが、それに紅葉は気付いていない。
食事を終えた紅葉はお椀を片付け、ヒノカグが沸かしてくれたお湯に布切れをつけて体を拭き、ボロボロの布団の上に横になる。
「おやすみなさいませ、ヒノカグ様」
囲炉裏の中で燃えているヒノカグに、紅葉はニコリと微笑みかける。こんな穏やかで優しい日々がずっと続けばいい、そう願いながら。