姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
ここに来てからは一人で寂しかった。
もし……追い出されてしまったらと思うと、不安で夜も眠れなかった。
上手くいかないかもと思うと怖かった。
やっぱり私は愛されない……捨てられてしまう恐怖に震えていた。
「ごめ、んなさぁ………っごめん、なさい!!」
「……ウェンディ」
「こんな、私が……嫌い!!大嫌い……ッ!」
素直に甘えられない自分が嫌い。
可愛くない自分が嫌い。
こんな自分が、ずっと昔から大嫌いだった。
我慢していれば、時間が解決してくれると知っていたから平気だと言い聞かせていた。
それでも勝手に思い出しては、こうして迷惑を掛けてしまった。
また心を許すことが……こんなにも怖い。
「僕は…………君が好きだよ」
「……!」
「今のウェンディが、大好きだ……不安な思いをさせて、本当にごめんね」
「…………ッ、ゼルナ様の、ばかぁあぁっ」
「うん……僕は馬鹿だね」
「ほ、とは……もっと一緒に……っ!」
「うん、一緒にいよう。ウェンディもそう思ってくれるのなら嬉しいな……僕はウェンディの気持ちをもっと知りたい。もっと教えて欲しいんだ」
あの後、ゼルナの胸で大泣きした後に我に返り恥ずかしさに顔を上げられなくなった。
涙を止めたくて何度も目を擦る手をゼルナは包み込むように握った。