姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
「ゼルナ様に……このメモを渡して下さいませんか?」
「はい、勿論ですわ」
「ありがとうございます!」
「ウェンディ様、ゆっくりとお休み下さいませ」
「はい、おやすみなさい」
パタン、とドアが閉じた。
どうするべきか迷ったが、一歩前に進んでみようと決めたのは良かったものの……やはり慣れない事をしたせいか「どうしよう」という気持ちが湧き上がってくる。
もしゼルナから煩わしいと思われたら?
仕事の邪魔をしてしまったら?
そんな思考が頭を過ったが、すぐに首を横に振った。
(大丈夫……ゼルナ様なら笑って受け取ってくれるわ)
フレデリックの婚約者だった時にはいつも不安で、顔色を窺って、焦っていた。
ゼルナと結婚してから、押し込み続けたものを少しずつではあるが出せるようになっていった。
それは間違いなく彼のお陰だろう。
共にいる安心感や相手に想われる気持ち……互いに思い遣る事がこんなにも心地良いのだと、ゼルナと一緒にいる事で知ることが出来た。
それはフレデリックと結婚していたら、永遠に得られなかったものだろう。
(こんなに幸せでいいのかしら……)
悲しみのどん底から、嘘みたいに幸せな日々。
「はい、勿論ですわ」
「ありがとうございます!」
「ウェンディ様、ゆっくりとお休み下さいませ」
「はい、おやすみなさい」
パタン、とドアが閉じた。
どうするべきか迷ったが、一歩前に進んでみようと決めたのは良かったものの……やはり慣れない事をしたせいか「どうしよう」という気持ちが湧き上がってくる。
もしゼルナから煩わしいと思われたら?
仕事の邪魔をしてしまったら?
そんな思考が頭を過ったが、すぐに首を横に振った。
(大丈夫……ゼルナ様なら笑って受け取ってくれるわ)
フレデリックの婚約者だった時にはいつも不安で、顔色を窺って、焦っていた。
ゼルナと結婚してから、押し込み続けたものを少しずつではあるが出せるようになっていった。
それは間違いなく彼のお陰だろう。
共にいる安心感や相手に想われる気持ち……互いに思い遣る事がこんなにも心地良いのだと、ゼルナと一緒にいる事で知ることが出来た。
それはフレデリックと結婚していたら、永遠に得られなかったものだろう。
(こんなに幸せでいいのかしら……)
悲しみのどん底から、嘘みたいに幸せな日々。