姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
父を追いかけようとするジャネットをこのまま放っておけば駄目になってしまう……そう思い、懸命に諭そうとしていたが、ジャネットは怒りをぶつけるようにして暴言を吐き散らしていた。
いつものように癇癪を起こして「邪魔ッ」と叫んだ拍子に、花瓶を投げられて頭に傷を負ったそうだ。

ジャネットは怪我をした母を放置して、父の元に向かった。

簡単に手当てした後に、流石にどうにかしなければと父の部屋に向かうと、ジャネットの姿はもうなかった。
部屋のものは散らばり、荒く息を吐き出す父と話し合おうとするものの「こうなったのは、全てお前のせいだ!」「早くアイツをどうにかしろ」と口論になり、父との関係は更に悪化した。

母が屋敷や仕事をしなくなると何もかも上手くいかなくなった事で追い詰められた父は、苛立ちをぶつけるように「役立たず!!」「お前とは離縁してやる」という言葉に、母は「どうぞ、ご自由に」と答えたそうだ。

その言葉に怒り狂った父と揉み合いの喧嘩になり、結果としてこのような形になってしまったそうだ。


「そんな……」

「あの子に、わたしの言葉は届かなかった……でもこのままじゃいけないと思って、必死だったけど、もうダメかもしれないわ」

「……っ」


顔を手のひらで覆う母を見ると胸が痛んだ。

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