姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~


その言葉と共に、ルドとマルコがくしゃくしゃな髪を整えてから眼鏡を取る。
見覚えのある姿にポカンと口を開いていると、二人は顔を見合わせた後に悪戯が成功した子供のようにはしゃいでいる。


「アーノルド・ベネット・ベルタだ!」

「オレはディマルコ・ベネット・ベルタだよ!この間はクッキーとパウンドケーキをご馳走様」

「~~~ッ!?!?」

「ほら、いい反応してくれるじゃん?」

「最高だね、ウェンディは」

「ウェンディで遊ぶな……怒るぞ?」

「はいはい。相変わらず固いよな……ゼルナは」

「そうそう!」

「…………はぁ」


ゼルナの大きなため息が聞こえた。

目の前に居るのは、この国の第一王子であるアーノルドと第二王子であるディマルコであった。

別邸に来た時は変装をしていて、尚且つ自分達のことを「平民」「ゼルナの友達」だと言っていたが、透き通るような銀色の髪とゼルナと親しい事を考えれば、簡単に辿り着ける答えではなかっただろうか。

(私ったら、どうしてこんな簡単な事に気づけなかったのかしら……)

そんな自分が恥ずかしくなり頬を赤くした。
あの時は余裕がなかったとはいえ、二人の王子を前にあのような態度をとってしまった事を後悔していた。

失礼はなかったかと、思考を巡らせてあの時の事を思い出していると、直ぐにゼルナが頬に手のひらを寄せて抱き込みながら「サプライズしたいって言われていたんだ。驚かせてごめんね」と言って申し訳なさそうに眉を寄せた。
< 200 / 215 >

この作品をシェア

pagetop