姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
「全面的に協力する代わりに、これだけは絶対に譲れないと言われて……仕方なく」
「ゼルナ様……」
その言葉に首を横に振り、心配そうに此方を見つめるゼルナを見上げた。
「ウェンディ、大丈夫?驚かしてごめんね」
「大丈夫です。此方こそごめんなさい、気付けなかった自分が恥ずかしくて……」
「ウェンディには申し訳ないけど、驚いている顔……すごく可愛かった」
「……!!」
二人で顔を真っ赤にしていると、アーノルドとディマルコがヒューと口笛を吹く。
「熱い二人だねぇ」
「本当にな」
「「…………」」
「そこの二人とは大違いだな」
「「!!」」
ディマルコはジャネットとフレデリックの方をチラリと見る。
そんな時、後ろから凛とした声が耳に届いた。
「……アーノルド殿下、いい加減になさって下さいませ。それ以上は己の品位を下げますわよ?」
「ディマルコ殿下もですよ?ウェンディ様が困っているではありませんか」
「こんな事をしてばかりいるから王妃陛下が心配なさるのですわ」
「ウェンディ様はわたくし達の大切な友人……あまり悪戯していると怒りますわよ?」
「……げっ」
「…………うわぁ、出た」
その声を聞いた瞬間、アーノルドとディマルコは視線をサッと逸らしてゼルナの背後に隠れるように身を寄せた。
そして見覚えのある令嬢達を見てホッと息を吐き出した。
「レイナ様、ミア様……!」