姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
それからフレデリックの部屋や屋敷を案内されたり、自慢の庭を見せてもらったりと、死ぬほど退屈な時間を過ごしていた。
どれだけフレデリックが素晴らしいか、ニルセーナ伯爵家を今後どう盛り立てていきたいか。
そして必ず男児を二人以上は産んでほしいなど、下らない事を言っては誇らしげにしている。

途中からどうでもよくなり過ぎて欠伸を我慢するのに必死だった。

(はぁ……本当に面倒だわ。ウェンディはよくこんな下らない話を聞けていたわね。帰りたいわ)

あまりにも退屈で頭が痛くなりそうだった。
デイナント邸に帰って、ウェンディに自慢でもして憂さ晴らしをしようとした時だった。

どこを探してもウェンディの姿が無かった。

母も今日は部屋で過ごすと聞いた。

そしてウェンディは夕食の時にも姿を現す事はなかった。
どことなく侍女達も浮かない顔をしている。

父と幼い弟と二人で囲む食卓に違和感を感じていた。
そしてウェンディの侍女を掴まえて問いかけた。


「ウェンディは、どこへ行ったの?」


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