【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
ゼルナの手紙には、いくつかの条件が書いてあった。
動物が好きか、贅沢をしなくてもいいか、自分の事は自分で出来るか……此処に来た瞬間から理解出来る事だが、動物が外にも邸の中にも沢山居る。
贅沢をしなくてもいいか……というよりは、しても意味がないのだろう。

この場所には王都と同じ様な娯楽や買い物に行く場所もなさそうだ。
ドレスを着て買い物に出掛ける事もないからか、着飾っても仕方がない。

以前はどれだけ目立ち男性の目が引く事が出来るのか……そればかり気にしている世界で生きていた。

新しいドレスの話題や化粧のやり方を話しながら自分を磨いていく。
あまりお洒落や化粧が得意ではないからか、そんな生活に息苦しさを感じていた。

『地味』

ジャネットと比較されては、いつもそう言われていた。
華やかさがなくてもいいのかと悩んだ事もあったが、フレデリックは派手な化粧もドレスも匂いの強い香水も好まなかった。

お洒落をすると嫌な顔をしたから、なるべく彼の好みに合うようにと気を遣っていたつもりだった。
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