姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
元婚約者であるフレデリックと姉であるジャネットは、何事もなかったかのように平然と過ごそうとしているそうだ。
このままではウェンディの心が壊れてしまうのではないか……二人の姿を見たくないと、ウィンディは辺境の地へと赴く覚悟を決めたのではないかと。

そして最後には謝罪と、娘を案じる言葉が震える文字で書かれていた。


「……ッ!」


初めて聞くウィンディの事情に胸が締め付けられる思いがした。
此処にそんな噂は全く届く事がない。

『君が裏切らないのなら、僕も絶対に君を裏切らない』

その言葉を信じて来たのではないか……そう思ったのだ。


「ウェンディは手酷い裏切りを受けて此処にいる」

「…………」

「何故……私の手紙を読まなかった?」

「っ、また……いつもと同じだと思った」

「お前は自分自身で彼女がいいと選んだのではないのか?何の為に結婚をしたのだ?」

「…………それは」


震える唇を噛んだ。
今は、ウェンディに自分の我儘ともいえる条件を一方的に押し付けていた。
彼女の事情を聞いて胸が痛んだ。
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