何もかも奪われた純白の聖女は全てを破壊する

「国王陛下も悲しむでしょうね」

「……ッ」

「……」

「っ、そうだ!!君と父上の前で真実を話すのはどうだろうかッ!?」

「真実を…?」

「罪を償えばっ、懺悔すればいいんだ!!そうすれば僕の未来は、きっと……!」

「陛下と私の前で、本当の事を話せるのですか?」

「も、勿論だ!!」


表情を消しながらも軽蔑したような視線を送る。
値踏みするように、疑うように…。


「そうすれば、大丈夫なはずだ!!!僕は、僕は立派な王になるんだ…そしてこの国の未来はっ」

「………」

「きっと女神様だってお許しになるさ…!」


ブツブツと何かを呟いているカーティスにニコリと微笑み掛ける。
また誘惑されただのと、有る事無い事を吹き込まれたら計画の邪魔である。


「そうですね……自分の罪を認め、行動を改めるのならば女神様はお許しになるでしょう」


カーティスの前で手を合わせる。
「今すぐ向かおう」と足早に国王の前へと向かった。

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