何もかも奪われた純白の聖女は全てを破壊する
最終章 終焉
カーティスは偽りなく国王に事実を伝えた。
アンジェリカを怒らせた原因は自分にある事。
サラ自身は何も関係ないという事も。
国王は眉間に皺を寄せると、一言「余計なことをしおって…」と言っただけだった。
そしてカーティスの反省した様子を見て、あろうことか息子が成長したと喜んでいた。
(信じられない…)
「二度とこのような面倒な事を起こすなよ」
「はい、父上…!けれどサラのお陰で過ちを犯す前に気付く事ができたのです」
「ふむ…」
「サラが居なければ僕の未来は無かったかもしれない!!」
「………」
「そうか…!サラ、これからもカーティスを宜しく頼む」
「……かしこまりました」
そして国王が去った後にカーティスの傷ついた顔を治す。
「貴方の罪は許されました」と言うと、涙を溜めながら喜び、跪いたのだった。
それからあれ程煩く纏わりついていたのに、それをしなくなった。
熱い視線を感じる事もなく崇め始めたのだ。
(駒が増えた……カーティスが更に使い易くなって何よりだわ)