何もかも奪われた純白の聖女は全てを破壊する
「そ、そうですな…!」

「……まだ近くに居るはずだッ!!すぐ様捜索隊を出せッ」


思わぬ展開に爪を噛んだ。
やはりサラという"玩具"が居ないのは悔しい。

こんなチャンスは、二度とないかもしれないのに。


「あのっ…サラはこちらに来たばかりで不安だと思います!」

「アンジェリカ様…」

「できれば早く探し出してあげたいのです!わたくし、同じ聖女として不安で……」

「純白の聖女様の願いだ。聖女サラをすぐに探してくれ」

「かしこまりました!」

「ありがとうございます…っ」


涙を拭うフリをした。

自分が人に対する優しさや、慈愛の心が少ないのは自覚している。
何故、女神に聖女として選ばれたのかも分からない。
けれど誰よりも優れていると、美しく特別な存在である事を証明したかった。

(居なくなったら居なくなったで詰まらないじゃない……苦しむ顔が見たいのに)



(アンジェリカside end)
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