【短編】保健室の常連客

2人に見つからないよう、登校してきた他の生徒に紛れてトイレへ。
チャイムが鳴るギリギリまでこもり、教室に入った。

肝心の広川くんはというと……机に突っ伏している。


登校早々、感じ悪かったよね。酷いことをしたのは私なのに。

でも、今はまだダメ。
顔を合わせても、多分緊張と恐怖で何も話せない。


寝ていて気づかないのをいいことに、挨拶せず自分の席に着いた。







「ありがとう恵理ちゃん。助かったわ」

「いえいえ。仕事ですから」



金曜日の昼休み。
山積みになった保健だよりを、石出先生の机の上に置いた。

委員会に向かう途中、ちょうど印刷室から先生が出てきて、運ぶのを手伝ったのだ。



「今日は何をしたらいいですか?」

「そうねぇ、まだお客さんもいないし、これをクラスずつに分けてくれる?」

「わかりました」



保健だよりの山を半分取り、中央のテーブルに移動。

全クラスの人数が書かれたメモをもらって、作業に取りかかる。
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