【短編】保健室の常連客

に、し、ろ、は……20。えーと、あと7枚か。


カタカタとキーボードを打つ音をBGMに、クラス別にまとめていく。


……今日は来るかな。


あれから数日が過ぎたけれど、実はまだ広川くんに謝れていない。

なかなか決心がつかなくて、結局初日は一言も話せなかった。

だけど、ずっと逃げていちゃダメだと、自分に活を入れて、再度メッセージを送信。


しかし……そのメッセージも既読になることはなかった。


学校でも、休み時間になった途端、教室を出ていっちゃって、声をかけられず。

昼休みも、保健室にいるかなと思って行ったけど、いないし。

放課後も、ホームルームが終わると急いで教室を飛び出してる。


避けられてるのかな……。


でも、私が悪いんだし。口を利きたくないくらい、ショックだったってことだから。

彼の傷が癒えるまでは、そっとしておいたほうがいいのかもしれない。



──ガラガラガラッ!



「失礼します!」
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