Rain shadow─偽りのレヴェル─
もう1度、わたしはその柔らかい髪に手を伸ばした。
今度はわしゃわしゃと両手でおもいっきり撫でてあげる。
「…ねえ、さん、」
「はは、瀧。残念だけど僕は君の姉さんでもなければ女でもないんだ。
でもずっと…お前は弟みたいだからこうしてやりたかったよ、」
ごめんねお兄ちゃん、適当言ったつもりはなかったの。
でもほんとうに、この子は素直ですごくいい子で、こうやっていつもお兄ちゃんの傍に居てくれた感じがするから。
「……爽雨さん、ほんとに爽雨さんですか?」
「そ、そうに決まってるだろ?…“そう”だけに」
「……」
あっ、ここは笑ってくれなかったみたい…!
理解してなかったり…?
それとも理解を放棄してる…?
「でもおれは…あなたの味方ですから」
「…ありがとう」
ギャグは拾ってくれなかった…けど。
拾われたらそれはそれで困るし、この場合の正解はスルーだ。
だから瀧、あなたは間違ってない。うん。
「ふふっ、」
「…なんかおかしいですか」
今度は逆だ。
そう思うと、この子もわたしと同じ気持ちだったのかなって余計に頬が崩れる。