若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
妻なのに、同衾を拒まれた。そもそも慶は、美夕を女性として見ていなかった。

(だったらなぜ、私を妻に迎えたの……?)

不条理さに湧き上がってくる苛立ち。そして、女としての無力感。

(確かに私は慶さんと比べたら若いけれど、体はちゃんと大人なのに……!)

せめて、少しくらいドキドキしてもらえれば救いようがあった。頬を染めるとか、照れて戸惑うとか。

だが、慶は冷静に美夕を直視し、躊躇いもなく一蹴した。

どこが悪かったのだろうと、美夕は自身の胸をふにふにとつまんでみる。

大きくはないけれどちゃんと柔らかいし、腰だってそれなりにくびれているし……。

自分には色気がない? もしかして、これまで相手にしてきたナイスバディの女性たちと比較している? そんなことにぐるぐると考えを巡らせ、美夕は頭を抱える。

しばらく茫然としていたが、あきらめてのそのそと下着を脱ぎ、色気のない寝巻に袖を通した。

仕方がない。悩んでどうにかなるようなことでもないのだ。

あきらめるしかないけれど、それでも美夕は悲しかった。



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