若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
(驚いてはいないようだけれど……)

もっとびっくりした顔をされると思っていたのだが、ポーカーフェイスが上手なのだろうか、あるいは――。

「北菱さんにはいつも頑張ってもらっています。帰りが遅いので、ずいぶん心配されているのではないかと」

「いえ。私としては、好きな仕事に思う存分取り組んでもらいたい、それが私の幸せでもあります」

慶の言葉が本心に思えて、胸の奥に熱い風が吹きつける。

笑顔も、言葉も、取り繕っているものだと理解しているはずなのに、なぜか美夕の心にストレートに突き刺さってくる。

「コネを使うようで申し訳ないが、私個人としてはぜひ北菱様に、弊社の経済誌にご出演いただきたい。オファーをさせてもらってもよろしいでしょうか」

高嶺社長はちゃっかり取材を取り付けようとしている。

「私にできることでしたら、ご協力させていただきます」

慶たちが会話している横で、唯一慶の正体を知らずにいる青谷が眉をひそめていた。経済誌? オファー? いったいなんのことを言っているのだろう?と。

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