若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
辺りが騒がしくなり、人が集まってくる。

やってきた女性客たちは「まあ素敵」と頬を染め、男性も「これは立派だ」と頷いている。

よほど高価で珍しい宝石を着けてくれたのだろう。

たくさんの人に囲まれて、普段なら逃げ出したくなるところだが、慶がずっと手を繋いでいてくれたせいか嫌にはならなかった。

やがて騒ぎを聞きつけた美夕の父が血相を変えて飛んできた。

「美夕、そんなところにいたのか! って――」

娘を探していたのだろう、見つかって安堵するも、首もとのジュエリーを見て再びぎょっとした顔をする。

「どうしたんだそれは……」

「花柳先生ご無沙汰しております」

「慶くん! 君が美夕を見ていてくれたのかい? というか、そのジュエリーはいったい……」

美夕が見る限り、父と慶はそれなりに親しい間柄のようだ。慶はにっこりと笑って美夕の背中に触れる。

「娘さんを少しの間、お借りしても?」

父はぎょっと目を見開いたが、慶の目論見に気づいたのか、呆れたように笑った。

「いいのかい? 今日のパーティーは君の縁談も兼ねているんだろう? 子どもの世話なんてしていて」

「とんでもない。愛らしいレディのエスコートですよ」

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