若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
宝石はひやりと冷たく、ずっしりと重たい。

姿見を覗くと、桃色のドレスにルビーの赤が映えて、何度も瞬きしてしまうほど眩しく輝いていた。

「すごい……」

「とてもよく似合っているよ、お姫様」

慶の言葉に、まるで自分が本物のお姫様になったかのように錯覚する。

慶は膝をついて美夕の手をとると、甘い笑みを浮かべて手の甲にちゅっと口づける振りをした。

「ではお姫様。そのルビーの輝きをみなに見せにまいりましょうか」

美夕は「はい!」と大きく返事をする。

宝石を着けてお姫様になれたことも嬉しかったが、王子様が手を引いてくれることがなにより幸せだった。

一階の大広間に着くと、すれ違う来客たちが、美夕のネックレスを見て足を止めた。

「お嬢さん、それは立派なネックレスだね」

声をかけてきた来客に、美夕は誇らしげに胸を張る。

慶は「北菱家が所蔵するジュエリーコレクションの中で一番価値の高い品です。十八世紀初頭のイタリアで作られました」と美夕には少し難しいことを言ってネックレスのことを説明した。

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