若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
スーツを着崩した丸刈りの男と、金髪の男。もうひとりは顔までタトゥーを彫っていて、アクセサリーをじゃらじゃらつけている。

ふんぞり返るような歩き方は、映画によくあるゴロツキといった印象だ。

「あれに狙われてるとしたら、お前、やばいんじゃないの?」

美夕はごくりと息を呑む。

江怜奈が言っていた手取り足取り働いてくれる部下というのがあの人たちのことだったとしたら、江怜奈の背後にはいったいどんな組織がいるというのだろう。

まさか、本当にカタギではない人たちが……?

「家まであとどれくらいある?」

「五分くらいは」

「大通りまで戻った方がよさそうだな。隠れてやり過ごそうか」

ぐねぐねとした細い路地を曲がった瞬間、近くのマンションのエントランスに飛び込み身をひそめる。

美夕たちのあとを追ってきた男たちは、姿が見えないことに気づくと「おい」「いそげ」と声を潜めて、美夕の自宅の方へ走っていった。

「あいつら、完全に俺らに狙いをつけてた……!」

「どうしよう! 警察呼ぶ?」

「探されたら警察着く前に見つかっちまうよ。あいつらが戻ってくる前に来た道を戻るぞ! 大通りまで走ろう」

< 207 / 254 >

この作品をシェア

pagetop