若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
議員が腰を浮かして娘に詰めよる。
どうやら美夕への嫌がらせは完全に江怜奈の独断だったらしく、当の江怜奈は身を縮めて父親の顔色をうかがっている。
そこへ、襖の向こうに影が見えた。
「失礼しますよ」
仲居ではない、男性の声。聞き覚えのある穏やかな口調と声色。
襖がゆっくりと開き、小洒落たスーツと金縁眼鏡をかけた、よく知る人物が顔を覗かせた。
「高嶺社長……!」
驚いて声を上げた美夕とは反対に、慶は知っていたらしく「よく来てくださいました」と礼を述べた。
「誰だ」
議員が声を険しくする。高嶺社長は議員の横に向かい両膝をつくと、懐から名刺を取り出した。
「文嶺出版取締役社長、高嶺紀一郎と申します。一度お会いしたことがあるんですが、覚えていらっしゃいませんかね」
議員は受け取った名刺を訝しげな顔で睨んだ。おそらく、記憶になかったのだろう。
「まあ、当時は社長などではなく、いち編集者だったので記憶に残らなかったのでしょう。七年前の事件、そして、株式会社ワールドジャーナルと言えば、思い出していただけますか」
議員の表情が曇る。
思い当たる節があったのだろう、まさかという顔で高嶺社長を見つめた。
どうやら美夕への嫌がらせは完全に江怜奈の独断だったらしく、当の江怜奈は身を縮めて父親の顔色をうかがっている。
そこへ、襖の向こうに影が見えた。
「失礼しますよ」
仲居ではない、男性の声。聞き覚えのある穏やかな口調と声色。
襖がゆっくりと開き、小洒落たスーツと金縁眼鏡をかけた、よく知る人物が顔を覗かせた。
「高嶺社長……!」
驚いて声を上げた美夕とは反対に、慶は知っていたらしく「よく来てくださいました」と礼を述べた。
「誰だ」
議員が声を険しくする。高嶺社長は議員の横に向かい両膝をつくと、懐から名刺を取り出した。
「文嶺出版取締役社長、高嶺紀一郎と申します。一度お会いしたことがあるんですが、覚えていらっしゃいませんかね」
議員は受け取った名刺を訝しげな顔で睨んだ。おそらく、記憶になかったのだろう。
「まあ、当時は社長などではなく、いち編集者だったので記憶に残らなかったのでしょう。七年前の事件、そして、株式会社ワールドジャーナルと言えば、思い出していただけますか」
議員の表情が曇る。
思い当たる節があったのだろう、まさかという顔で高嶺社長を見つめた。