若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「認めるんじゃない! 黙れと言っているだろう!」

当然、音声を記録している。慶が隠し持っているレコーダーには、江怜奈の自供がしっかりと録音されたことだろう。

「娘が反社会的組織と繋がりがあった――当然、父親であるあなたも疑われるでしょう。遺書に書かれているこれまでの行いにも、メスが入る」

慶の言葉に、議員の唇がわなわなと震え出す。

「今度はあなたが検察の捜査を受ける番のようですね、勅使河原議員」

議員はテーブルに散らばった証拠の数々をぎりっと睨んだ。

遺書はもとより、写真に関してもフィルムは大切に保管されているのだろう。

高嶺社長は満足そうに遺書を懐にしまう。

慶は議員を静かな目で見守りながら、ゆっくりと言葉を切り出す。

「狡猾なあなたのことだ。犯罪の確証となるようなものは残していないのでしょう。検察も一枚かんでいたようだ。彼らも暴露されては困る以上、一部の罪は見て見ぬ振りをするかもしれない。だが――」

慶が視線を江怜奈に向ける。代弁するかのように高嶺社長が笑った。

「脇の甘い娘さんからは、他にも証拠が出てきそうだ。かつての秘書のように、すべてを背負わせて口を封じることもできないでしょうしね」

< 225 / 254 >

この作品をシェア

pagetop