若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
三泊四日の、真夏のバカンス。

一歳の夕夏に長距離移動は難しいことから、国内で旅行をすることに決め、ヴィラ風のラグジュアリーな別荘を一棟借りた。

リビングからは海が見えて、開放感のあるバルコニーにはプライベートプールもついている。

加えて、慶は小さな滑り台つきの子ども用プールを手配した。バルコニーで親子三人水遊びができる。

「慶も仕事で疲れているでしょ? 三人でのんびりしよう」

「仕事と育児の両立で大変なのは美夕の方だろう」

「職場ではみんなにフォローしてもらってるわ。育児中も働きやすいよう、高嶺社長がいろいろと制度を作ってくれたから」

育児中の社員に対し、労働時間の短縮に加え、子どもが風邪を引いたときなどの突発の休暇にも対応できるよう、ワークシェアリングに近い制度を導入した。

周囲の人間は美夕に手を貸すことで報酬を得る。美夕も気兼ねなく頼れるというわけだ。

子どものいる人もいない人も、ウィンウィンになるような制度を整えてもらった。

「私は恵まれているわ」

「それでも平日は、俺があまり育児に参加できない分、頑張ってくれているじゃないか」

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