童話書店の夢みるソーネチカ
「遅くなりました、仕事変わります!」  

 普段レジ周りの業務は千花が担当している。

 今日も同じ仕事内容だと思っていたのだが、何かおかしい。柳木が何も言わずに机の引き出しを漁り始めた。

 訝しんで眺めていると、突然、四角い物体をひょいと投げつけられた。

「えっ、なに⁉」  

 あわてて腕をのばす。

 反射神経悪いから落としちゃうよ⁉  

 両手にものの感触を感じ、ふっと息を吐いた。

 間一髪掴んだのは、十二色フリクションカラーペンのセットだった。

「確かこの前図書委員の仕事でPOP作ったって言ってたよな?昨日大物作品を仕入れたんだ。それ読んでうちにも作れ」

 何事かと焦ったが、POPの作成か。そういえば日曜日のバイトの時間にそんな話をした覚えがある。  

 POPは『Point of purchase』の略で店頭や店内で商品のそばに展示する広告のこと。

 これによってお客さんの購入意欲を高めるから、収益に直結するんだよね。おざなりにはできない仕事だ。
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