童話書店の夢みるソーネチカ
「ところで千花さんは何のおしごとですか?」  

 早速声のボリュームに配慮してゆかに答える。

「私はこの本のPOPを作ることになって、今から切ったり書いたりだよ。その前に読まないとだけど」  

 千花はゆかの隣の席に座り、本の角を持って見せる。

 「わあ……」と恍惚とした表情で表紙を眺めたゆかは、おおよそ千花と同じようなリアクションを返した。

「きれいな絵本ですね、しかも『シンデレラ』。すごくタイムリーです」  

 絵本好きの柳木は異例だが、幻想的なお姫さまを前にした時の反応は女子特有のものがある気がする。

 なんて考えながらゆかの発言の半分を理解できずに思考を巡らせていた。タイムリーって、そんなに今日的な作品かな。

「ええと近々『シンデレラ』の映画とかする?それか演劇とか」

「それはわかんないです……あっ、タイムリーっていうのはもうすぐハロウィンじゃないですか。町のイベントで小学生限定のハロウィンパーティーがあるんですけど、シンデレラの仮装をしようと思って準備しているんですよ」

「ハロウィン……言われてみればもう十月も終わりか」  
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