童話書店の夢みるソーネチカ
 千花の戸惑いにゆかが補足説明をしてくれた。  
 スマホの電源を入れると、ロック画面に十月二十七日と表示されている。今週末がハロウィン当日だなと、指を折って数えた。  

 それにしてもシンデレラの仮装かあ。ゆかちゃんなら本当にプリンセスになりそうだ。男子から手を取られるかもしれない。

 ダンスは……さすがに踊らないか。  

 この町には小学校がふたつあるので、小学生限定とはいえ結構な人数になるだろう。浮世離れした賑やかなお祭りになりそうだ、なんて想像をして微笑ましくなった。

「懐かしいなあ、私も小さい頃は仮装してたよ。地域の人にお菓子もらって、英語の先生が外国の遊びを教えてくれたからみんなで挑戦して。まあ仮装は簡単なものだったけど……恥ずかしくって」

「わかります。わたしも恥ずかしがり屋なんですけど、今回は友達が着ようって。別々のお姫さまの格好をするんですよ」  

 あみちゃんが白雪姫で、ななこちゃんが眠り姫で……と友達とお姫さまの名前を交互に挙げてくれる。ほとんどが童話に登場するキャラクター達だ。  
 お姫さまが一堂に集結するのは絵になるし、思い出に残りそうだなと思った。青春ぽくてちょっぴりうらやましくも感じる。

 ともかくゆかがシンデレラという采配とゆかを誘ったという友人には賞賛を送るべきだろう。
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