妹と人生を入れ替えました~皇太子さまは溺愛する相手をお間違えのようです~
「なぁに考えてるんだよ?」


 凛風が尋ねる。今日は妃の重装束じゃない。身軽な衣を身に纏っている。華凛と入れ替わっているからだ。
 だけど、どんな格好をしていても、凛風は凛風であるだけで可愛い。


「俺が考えるのは、凛風のことだけだよ」


 答えれば、凛風は顔を真っ赤に染め、恥ずかしそうに顔を背ける。


「お前、恥ずかしくないの? そういうこと口にして」

「全然。凛風にはこのぐらい言わないと、ちっとも伝わらないって気づいたしな」


 無防備な額に、頬に口づければ、凛風は眉間に皺を寄せる。だけど、全然嫌がっていない。寧ろ嬉しそうだ。


「ところで、今日はどこに連れて行ってくれるんだ?」


 照れくささを誤魔化すように、凛風は無理やり話題を変える。しっかりと互いに手を繋ぎ、人で賑わう京を歩く。


「凛風が喜んでくれる場所」


 言えば、凛風は顔を真っ赤に染め、不服そうに唇を尖らせる。


「それ、答えになってないんだけど」

「――――何処に行っても嬉しいから?」

「……!」


 可愛い。図星だ。
 愛おしさのあまり、凛風を思いきり抱き締め、その唇に口付ける。

 凛風の細い腕が、以前のように俺を拒むことは無い。優しくギュッと抱き返してくれる。
 俺が笑えば、あいつも笑う。とても、とても嬉しそうに。


「もう二度と、逃がしてやらないからな」


 言えば、凛風は不敵な笑みを浮かべる。


「望むところだ」


 満面の笑み。ずっとずっと、欲しくて堪らなかったもの。
 ようやく俺は、凛風を手に入れた。
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