スキナダケ
「これで終わりなの?」

夕海は首を横に振った。
その動きだけで、ほんの少し心が救われた。

「まだハナは夕海の物?」

けれどこの問いには、イエスもノーも言ってくれなかった。

「ハナちゃん次第だよ」

「ハナ次第?」

「いい子にしてて。二学期の間。ハナちゃんは私だけの物で居られるなら、ハナちゃんを選ぶよ。そう信じられたら、私はまたハナちゃんに会いに来る」

「分かった。約束する」

最後に夕海はキスも何もしてくれなかった。
手も握ってくれなかった。

夕海がずいぶん小さく見えた。
ハナはなんでこんなに大きくなっちゃったんだろう。
次に会う時は声変わりも落ち着いて、中性的でも無くなってるだろう。

夕海が好きになってくれたハナはどこにも居なくなる。

それでもハナは、夕海に傍に居て欲しい。
夕海しか居ない。

その為ならなんだって出来る。

そう誓ったから。
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