スキナダケ
「その名前で呼ばないで」

「なんで…」

「なんででも!ハナはハナだから!お前なんかにほんとの名前で呼んで欲しくないんだよ!」

誰が見てもハナを独占してるって思ってたママでさえ、最期までハナの本当の名前を呼んでくれなかった。

最期の最期まで、ハナはママのアクセサリーだった。
自分の好きなように染めて、所有して。

夕海だってそうだ。
「ハナちゃん」が似合うハナだったから好きでいてくれた。

今は違う。
ハナより小柄で弱そうな男を選んだ、それが夕海の答え。

必ず迎えに来てくれるって約束したのに。
ハナの存在はこんなにも軽かったんだ。

いくらでも代えの効く、ハナじゃなくても構わないような存在。

だったらもう要らないよ。
こんなの全部。
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