先輩とわたしの一週間
「よくぞまあ今の今までほんと無事でいたもんだよ」
「だからなにがですか」
「酒飲んで男と二人でいるのに処女だのお持ち帰りしていいだのなんだのかんだのここでの会話全部だよ」
「そんなの先輩だからですよ」
「あ?」
「先輩が相手だからこんな話もしちゃってるしそもそも先輩じゃないとサシ飲みなんて行きませんよ」
「俺に持ち帰られてもいいのか?」
「だからいいですよって」
「それ意味分かって言ってんだよな?」
「だいじょうぶわかってますおーるおっけーです」
絶対分かってねえじゃねえか、と葛城はグラスの中身を飲み干した。だからわかってますってば、と目の前の酔っ払いは食い下がる。
「うるせえ俺の理性が効いてるうちに帰るぞ」
「だって少なくとも先輩はわたしにひどいことしないから大丈夫ですもん」
「すげえ信頼だな」
「そうですよわたしの先輩はすごいんですよ自慢の先輩なんです」
うへへと気の抜けた笑いをあげつつも、そこから向けられる言葉の威力に葛城はまたしても項垂れるほかない。あー、と小さく零しながら頭の後ろをガシガシと掻く。
「なんですか先輩頭かゆいんですか? ノミ?」
「お前シラフに戻った時覚えてろよ」
「ちょっとした軽い冗談じゃないですかキレやすい中高年みたいなのよくないです」
「あーもうラチがあかねえなあこれ!」
このままではひたすら酔っ払いとの会話が続くだけだ。葛城は肘をテーブルにつくと前に体を動かし、晴香との距離を詰める。
「お前ほんとうに俺に持ち帰りされてもいいんだな?」
「いいですよー」
「持ち帰ったらそのままエロいことするけど?」
「やっぱり先輩処女好き……!」
「ち、げえよ!!」
「そういや先輩処女貰ってやるってすごい上から目線の言葉だと思いませんか?」
「このタイミングでまたお前は……」
「いやだって貰ってやる、ですよ! なにさまって感じじゃないですか?」
「だったらなんだよ、くださいって言えばいいのか」
「それはそれでそこまで必死になるのかなって引きません?」
「処女云々関係なしに今のお前が過去最高に面倒くさい」
先輩ひどい、と文句を口にする晴香の額に葛城はわりと強めに指を放った。
「さっきの質問だけどな」
痛い、と額をさすりながら睨み付けてくる晴香を無視して言葉を続ける。
「どれですっけ?」
「俺の好きなヤツ」
「……やっぱりいるんですか?」
「お前だよ」
「え?」
「お前だよ、日吉」
「だからなにがですか」
「酒飲んで男と二人でいるのに処女だのお持ち帰りしていいだのなんだのかんだのここでの会話全部だよ」
「そんなの先輩だからですよ」
「あ?」
「先輩が相手だからこんな話もしちゃってるしそもそも先輩じゃないとサシ飲みなんて行きませんよ」
「俺に持ち帰られてもいいのか?」
「だからいいですよって」
「それ意味分かって言ってんだよな?」
「だいじょうぶわかってますおーるおっけーです」
絶対分かってねえじゃねえか、と葛城はグラスの中身を飲み干した。だからわかってますってば、と目の前の酔っ払いは食い下がる。
「うるせえ俺の理性が効いてるうちに帰るぞ」
「だって少なくとも先輩はわたしにひどいことしないから大丈夫ですもん」
「すげえ信頼だな」
「そうですよわたしの先輩はすごいんですよ自慢の先輩なんです」
うへへと気の抜けた笑いをあげつつも、そこから向けられる言葉の威力に葛城はまたしても項垂れるほかない。あー、と小さく零しながら頭の後ろをガシガシと掻く。
「なんですか先輩頭かゆいんですか? ノミ?」
「お前シラフに戻った時覚えてろよ」
「ちょっとした軽い冗談じゃないですかキレやすい中高年みたいなのよくないです」
「あーもうラチがあかねえなあこれ!」
このままではひたすら酔っ払いとの会話が続くだけだ。葛城は肘をテーブルにつくと前に体を動かし、晴香との距離を詰める。
「お前ほんとうに俺に持ち帰りされてもいいんだな?」
「いいですよー」
「持ち帰ったらそのままエロいことするけど?」
「やっぱり先輩処女好き……!」
「ち、げえよ!!」
「そういや先輩処女貰ってやるってすごい上から目線の言葉だと思いませんか?」
「このタイミングでまたお前は……」
「いやだって貰ってやる、ですよ! なにさまって感じじゃないですか?」
「だったらなんだよ、くださいって言えばいいのか」
「それはそれでそこまで必死になるのかなって引きません?」
「処女云々関係なしに今のお前が過去最高に面倒くさい」
先輩ひどい、と文句を口にする晴香の額に葛城はわりと強めに指を放った。
「さっきの質問だけどな」
痛い、と額をさすりながら睨み付けてくる晴香を無視して言葉を続ける。
「どれですっけ?」
「俺の好きなヤツ」
「……やっぱりいるんですか?」
「お前だよ」
「え?」
「お前だよ、日吉」