キミの恋のはじまりは
熟れた熱を含んだ瞳に見つめられれば、はやる鼓動が全身を支配する。
もうその視線から逃れられなくて…ううん、逃れたくなくて。
泉の瞳の中に映る私をずっと留めていて欲しくて。あなたの世界を独り占めしたくて。
ふんわりと泉の髪が揺れば、それを合図に私は目を閉じる。
期待したぬくもりが唇に落とされれば、その甘美な想いに包まれる。
きゅっと背中に回された腕が心地よくていつまでも離して欲しくないと思ってしまう。
こんな幸せ、知らなかった。
泉が初めて教えてくれたんだよ……。
疼くような熱が遠ざかりゆっくりと目を開ければ、愛しさをのせた目元を緩めて微笑む泉がいた。
「……フォンダンショコラ、すげぇ楽しみ」
「…………がんばる」
「あんま頑張んないで。莉世だったらなんでもいい」
「……泉って、激甘だね……」
「いまさら?もうずっとでしょ」
引き寄せられてもう一度重なった唇は、今までのそれより一際甘くて、すべてがとろとろに溶かされていくようだった。