義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます<第一部>
 王都に向かう馬車の中で、前辺境伯……夫からの手紙を読み返していた。
 幸せになってほしいって……。
「「私は十分幸せなのに」」
 呟きに声が重なる。
 驚いて視線を上げると、馬車の向かい側に座るエリエッタが私を呆れた目で見ている。
「もうっ、お義母様ってば、手紙を読み返すたびにいっつもそれよね!」
「で、でも本当なんですもの。私は幸せなのよ?エリエッタの義母になれたこともすごく幸せで……」
 天使のような可愛らしいエリエッタも、15歳になり天使からそろそろ女神級の美しさへと変わろうとしている。
 美しいことを鼻にかけることもなく、ときどきはっきりと物事を言いすぎることもあるけれど、人のことを思いやる優しい子に育った。
 金色の髪に紫の瞳。サクランボのような唇に、月の女神のような美しく整った顔。
 頬をちょっと染めて、ぷぅっと頬を膨らませる。
「私だって、お義母様がお義母様になってくれてすごく幸せ……」
 なんて嬉しいことを言ってくれるのでしょう!エリエッタってば。ぎゅーっとしていいですか?ぎゅーっとと、手を伸ばしたところで、エリエッタがぶんぶんと首を横に振った。
「違うの、そうじゃなくて、幸せになってっていうのは、今以上に幸せになってってことよ!お義母様!だいたい、もう思い残すことはないいつお迎えが来てもいいとか、80や90の老人じゃないんだから!」
 義娘に叱られています。
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