掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
『バイトが目的じゃない』

そうだ。当たり前だ。
俺は何のために大学に入ったんだ?

『好きな研究に専念したい』

俺はバイトに逃げてるだけだ。

大阪では、二人があんなに応援してくれているのに。何やってんだ!

反省した。
夏休み直前の大学で、今更友達を作ろうにも、池に魚が居ない状態だったが、そこから真面目に大学に通うようになった。
前期のテストも、何とかクリア。
相変わらず友達は出来なかったが、酷いホームシックからようやく回復した気分だった。

その後、また引越し屋のバイトでその女と会った。

むこうも覚えていたようで、軽く挨拶をする。

「真野くん、うちの大学の生徒だったのね」

「え?」

「この前学食で見かけたの」

「あの…」

「あ、私は笹原夏美。
理学部宇宙地球物理学科の2年生よ」

「先輩!?」

「え? 真野くんも?」

「同じく宇宙地球物理学の1年、真野拓郎です」

「えぇ? じゃああなたも星バカ?」

「ブッ……まあ、そうです」

「あら気が合うわね!
どこのチームに入ったの?」

「え……」

「あら……まだどこにも入ってないのかしら…」

「……はい」

俺のトーンが沈んだからだろうか。
夏美は何かを察したかのように明るく誘ってきた。
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